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認知症の予防と治療発症の頻度と原因私たちが全国数百ヶ所の保健師、医師や保健所の協力の元に実施してきた認知症健診によって、以下のようなことが分かってきました。 早期認知症を含めた年齢群ごとの全認知症頻度は加齢とともに増加し、50歳代で5%、60歳代で12%、70歳代で30%となり、80歳代で初めて50%を越えます。90歳代ではほぼ75%に達し、そして100歳を越えると97%に達します。 地域ごとの認知症頻度と重症度は、全国どこでもだいたい同じ結果になります。仮に人口が1万人の市町村を想定すると、高齢化率が30%(全国の平均)ですから、高齢者人口がおよそ3,000人となります。その中の全認知症者の頻度は私たちの統計で約30%なので、ここでは1,000人となります。 その重症度内訳は、軽度:中度:重度が、ほぼ2:2:1で、具体的には軽度認知症400人、中度認知症400人、重度認知症が200人となります。つまりここには800人の治療可能な早期認知症者がいることになるのです。
全認知症症例の約93%が廃用型認知症であるというのが、私たちの統計結果です。 こういった人々は、子供の頃から右脳の感性教育がうまくなされず、成人した後も心貧しい生活を送ってきたことがうかがえます。勉強と仕事に打ち込むだけの人生を送り、音楽や絵画の美しさにも感動できず、碁も将棋もトランプも楽しまず、スポーツにも熱中できない、というタイプです。この種の人には、親友も異性の友達も少ないに違いありません。 さらに重要なことは、この種の認知症は、家族と家庭の病気だということです。ご当人にももちろん様々な原因がありますが、家族にも問題がある場合が多く見られます。
それ以外の認知症となると実にわずかなものです。脳血管系統の精密検査による診断では、血管性認知症は5%弱しか見つかりませんし、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍などの二次性認知症も2%程度でしょう。 ここでよくみられる誤診には注意が必要です。認知症症例で、脳のCTやMRIだけを撮って、認知症の有無を論じるのは誤りです。また、小さな梗塞(ラクナ)が数個見られるから,多発梗塞性認知症だと診断するのもほとんど誤診です。脳卒中の後遺症が血管性認知症ではありません。本当の血管性認知症は突然起こり、運動麻痺などはないのに、理解力などのみが低下します。 また遺伝子起源と思われる狭義のアルツハイマー病は、せいぜい2%と考えるべきでしょう。これは40歳代から50歳代に起こり、1〜2年のうちに急速に悪化して、重度にまで進行します。早期に発見できても治療が奏功しないため、半年くらい経過を見れば、ほとんどそれと分かります。また最近のPET検査では、認知症早期からこの型を鑑別できます。
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