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認知症の予防と治療はじめに ― 認知症の定義と重症度分類これから認知症にならないための予防対策と、認知症が始まっても重度認知症には陥らせないための早期対策についてお話します。 これまで「認知症は治らない」といわれてきました。しかし、それはあまりにも進みすぎた重度の認知症を指していたのです。それまでに、軽度・中度の時期が必ず2〜3年はあり、その間に手を打てば、大部分の症例で回復させる可能性が残っているのです。 私たちは多数の早期認知症症例を調査した結果、以下に述べるように、老人性認知症の多くは、「心の生活習慣病」ともいうべき廃用型認知症(以前は何となくアルツハイマー型認知症と呼ばれていたもの)であることを突きとめ、脳の活性化訓練(脳リハビリ)によって認知症の進行を阻止し、また機能を改善させることにも成功しました。他の諸々の疾患と同様、認知症も「早期診断、早期治療が重要である」といえるのです。
認知症とは、脳全般に何らかの軽度・広範な障害(外傷、脳血行障害、脳細胞の萎縮などの様々な要因)が加わり、そのために自発性、判断力、意欲などが低下し、社会活動や家庭生活に支障がある状態をいいます。 したがって、その重篤度は脳機能(神経心理機能)を測定することなしには、正確に判定することは出来ません。私たちは以下の二つの脳機能テストを併用した簡易二段階方式を用い、これまで見逃されてきた早期軽症レベルの認知症を明確に診断出来るようにしました。 まず最初に、前頭前野機能を測定する最高次機能テスト(かなひろいテストなど)をおこないます。認知症のごく初期にこの機能(機転、発想、注意分配能、計画性等)が低下し始めるので、これに落第点を取るようになります。 二番目に行うのが、大脳の後半部の認知機能、つまり「何を知っていて、何を憶えているか」を測る簡易知能テストです。(MMSテスト) 認知症の重症度はこのふたつのテストの成績で次のように分類できます。 まず「かなひろいテスト」の成績が年齢不相応の不合格点だと、少なくとも社会活動には適応できない何らかの認知症領域に達していると判断されます。 そこでMMSを測定し、それがまだ正常域の24点以上にある時には、軽度認知症、23〜15点の範囲にある時には中度認知症、14点以下に低下すると重度認知症と判定します。 その臨床症状を簡単に説明すると以下の通りです。
平成12年4月に始まった介護保険は、主として重い認知症を対象としていますが、介護保険認定の基準はだいたい以下の通りです。(多少地域差があります)
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