早期認知症の専門医 金子満雄の早期認知症予防と治療の外来医院

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認知症の予防と治療

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地域で行う予防と治療

生活習慣病型認知症は脳リハビリでかなり良くなります。 

現在の介護保健が実施される前に、私たちが近くの私立の老健施設で実施した脳リハビリの成績は以下の通りでした。 

MMSが20〜23点の範囲の患者にかぎり、3ヶ月間の入院で、一回に最大50人までを集め、熟練したスタッフによる合宿訓練を連日おこないました。

これまでの3年間で訓練終了した306名(女性216名、男性90名、平均年齢75.1歳)のうち、3ヶ月訓練終了時までの成績はー

改善群 (MMSが3点以上あがった) 162名 (53%)
非悪化群 (MMSが±2点以内) 123名 (40%)
悪化群 (MMSが3点以上低下) 21名 (7%)
                 

と、約93%に明かな効果が認められました。

なおその後の3年間の追跡調査では、1年半〜2年経過した96例では、機能維持群が76例(80%)で、悪化群が20例(20%)でした。また、2〜3年経過群の57例については機能維持群が40例(70%)で、悪化群が17例(30%)という結果でした。
この年齢層は脳梗塞や脳出血、悪性腫瘍、肺炎などの合併症が多く、それを考えれば、これは抜群の成績といえるでしょう。

このように脳機能を改善させ、それを2〜3年維持させる事は可能です。
私の認知症外来では、中度認知症から一旦機能を改善させた後7年〜9年機能を維持している人が増えています。長期展望も明るいということです。

 

ひとりの患者さんに対する脳リハビリは、毎週2〜3回実施することが望ましいでしょう。まず地域内に「老人の家」、「脳生き生き教室」といった施設を8ヶ所程作ることを計画します。小学校や幼稚園の空いている教室があれば十分ですし、福祉センターなどが使えれば絶好です。一ヶ所に100人を割り充て、月水金に50人、火木土に50人という風にまとめて、一緒に訓練します。

すべてを地域の保健師がみるよりも、元気なお年寄りにボランティアを募り、一緒に遊んでもらうと効果的でしょう。

愛知県の幸田町の場合は、市内の方たちに脳リハビリに参加してくれるボランティア(町からパート職員として雇いました)を募集し、協力を得ることができました。その方々には脳リハビリのコツを2ヶ月間勉強してもらいました。

訓練の内容は散歩、体操、ゲーム、歌、スポーツ、手芸等様々です。なるべくなら、地域の特性を生かした内容(たとえば御幣餅作り、そば打ち、ひょうたん作り、人形劇など)がよいでしょう。

最大の問題は高齢者の交通手段のことです。マイクロバスを準備して巡回できれば理想的でしょう。訓練そのものにはあまり費用はかかりませんが、ゲーム類(トランプ、カルタ、将棋盤、碁石と碁盤、花札、オセロゲーム)や楽器などの遊具一式は必要です。

訓練前後に脳機能を測定してみると、3〜6ヶ月までに85〜90%の症例で明らかに改善するか、少なくとも悪化はしないという結果が得られます。



■項目

  1. はじめに ― 認知症の定義と重症度分類
  2. 発症の頻度と原因
  3. 地域で行う予防と治療
  4. 最後に
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